楽器のメンテナンス サックスのお手入れ方法
投稿日:2015年2月26日
サックスには、ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスなど複数の種類がありますが、取り扱い方はほとんど一緒です。
今回は、アルトサックスを例に、組み立てや分解、お手入れ方法について説明しようと思います。
サックスの分解、組み立て方法、置き方
ここでは、サックスの組み立て、分解、置き方について説明します。サックスは木管楽器の中では組み立て、分解は簡単な分類に入りますが、簡単だからと言って注意を怠らず、慎重に組み立てましょう。
<組み立て方法>
1.マウスピースにリガチャーと呼ばれる締め金でリードを取り付けます。金属でできたリガチャーは、変形しやすいので落としたり、強い力を加えないように扱います。リガチャーが変形するだけでも音が変わります。
2.吹込管(ネック)とボディ部分を接続します。接続する際に必ずネックに手を添えるか、唄口をセットしてから本体にネックを差し込むようにしてください。そうすることで、ネックが曲がるのを防ぎます。
3.マウスピースを吹込管に接続します。メーカーにもよりますが、基本的には5mm~10mmほどコルクが見える位置まで差し込みます。
(※順番は2と3が逆でも問題ありません)
<分解の仕方>
分解は基本的に組み立ての逆を行います。分解した後は必ずお手入れするようにしてください。お手入れの方法は「サックスのお手入れ方法」で詳しく説明します。
<楽器の置き方>
基本的に「キー」を下にして置きます。ただし、バリトンサックスに限りキーを上にして置かなければなりません。バリトンサックスは重いため、キーを下にして置いてしまうと故障の原因になってしまいます。
サックスのお手入れ方法
サックスのお手入れは、「演奏後」、「週1回」、「2~3カ月に1回」とそれぞれ異なります。丁寧にメンテナンスすることよって、サックスを良い状態に保つことができます。
人も定期的に運動していないと動きが悪くなるのと同じで、楽器もしばらく使っていないと音の出が悪くなってしまいます。そのため、使用していない場合でも、定期的なメンテナンスが必要です。
<演奏後のお手入れ>
1.マウスピースと吹込管の水分を拭き取る
「クリーニングスワブ(紐のついたクロス)」と呼ばれる専用の布をそれぞれの管に通し、水分を拭き取ります。マウスピース部分は予めリードを外し、先端を傷つけないよう注意しながら行います。
2.タンポの水分を取る
演奏をしていると管の内側だけではなく、「タンポ」と呼ばれる「キー」の下にある丸い部分にも水分が付着しますので、専用のクリーニングペーパー(あぶらとり紙で代用している方もいます)を挟んで水分を取り除きます。
3.ポリジングクロスで楽器の表面を磨く
演奏をすると、サックスの表面に手垢やホコリなどが付着します。演奏後はポリシングクロスで磨いてください。
<週1回・細部を掃除する>
柔らかい素材のポリシングガーゼや細かい部分の掃除に最適なトーンホールクリーナーを使い、キーの間などに付着しているゴミを取り除きます。
<2~3カ月に1回のお手入れ>
1.キーオイルの注入
サックスを定期的に演奏していると、キーの動きが鈍ったり、「キコキコ」と擦れた音が鳴ることがあります。キーをなめらかな状態に保つために、定期的に「キーオイル」を使うと良いでしょう。
2.ベル内側のさびを取る
サックスは真鍮を主とした金属で作られているため、ベル内部にさびが発生する場合があります。演奏する上で問題はありませんが、悪臭が漂うなど気持ちの良いものではありませんので、メタルポリッシュやブラスソープを使い、さびを取り除きましょう。だたし、タンポにつかないよう慎重に行ってください。
(※頻度の目安として2~3カ月に1回と記述しましたが、さびが気にならないようであれば、そこまで行う必要はありません)
サックスの買取相場
サックスを使わなくなった、あるいは新しいサックスを買って、今まで使っていたサックスが不要になった際は、中古楽器店に買取を依頼することをおすすめします。
日頃からサックスのお手入れを行い、すぐに演奏できるような状態に保っていれば、高価買取が期待できます。
参考までに、サックスの買取金額の相場を紹介していきましょう。
- SELMER/セルマー Super Action 80 Serie II アルトサックス 150,000円 ~ 180,000円
- YANAGISAWA/ヤナギサワ S-9930 ソプラノサックス 240,000円 ~ 280,000円
- YAMAHA/ヤマハ YTS-82Z ULWOF アンラッカーモデル テナーサックス 145000円 ~ 175000円
※お買取り額は製品仕様・動作・状態・付属品により前後いたします